「自由が丘が廃れてきた」
「住みたい街ランキング下落?」
「凋落して老人の街になった」
近年こういった記事をよく見かけます。確かに住みたい街ランキングでは20年前1位だった自由が丘が、現在は30〜40位台まで下落しています。
しかし不動産データを見てみると、まったく違った状況も浮かび上がってきます。
自由が丘の2026年公示地価は坪単価1,128万5,950円で前年比+14.26%。衰退どころか上がり続けているのです。
衰退してるの?
だが地価は上昇??
——今回はこの矛盾の構造をデータをもとにまとめてみました。
📌 この記事の結論
- 住みたい街ランキングは37位まで下落。でも地価は前年比+14.26%
- 衰退した理由は利便性変化と高齢化
- 買いたい人がいるから地価は上昇
- 芸能人が選ぶのは緑が丘・奥沢など、繁華街の外側
- 坪単価は1,128万円だが、住宅地だけなら坪545万円
自由が丘の「衰退」と「地価上昇」の矛盾
まず、現在の自由が丘を取り巻く2つの相反する事実を確認しましょう。
住みたい街
ランキング1位 → 37位
20年前は1位だった自由が丘が、2026年には30位以下まで後退。「老人の街」「家探しの優先から外れた」と複数メディアが報じました。
坪単価前年比
+14.26% 急上昇
2026年公示地価は坪1,128万円で前年比+14.26%。凋落とは言えない数字が出ています。
主観的な指標であるスーモの『住みたい街ランキング』では37位。
36位:三鷹(JR中央線)
37位:自由が丘(東急東横線)
38位:秋葉原(JR山手線)
参照:SUUMO住みたい街ランキング2026 首都圏版
客観的な指標である国土交通省の『公示地価データ』では急上昇。この矛盾は両者が測っている対象が根本的に違うからです。

アナリスト
なぜ「衰退した」と言われるのか?
1・家探しの基準が「利便性」へ変わった
2018年以降、鉄道の利便性が向上した影響で、住みたい街ランキングには大宮・浦和・立川などの郊外が上位に入りました。一方で自由が丘・恵比寿・表参道といったおしゃれタウンの人気が相対的に低下しています。
これは自由が丘の魅力が下がったのではなく、街選びの基準自体が変わった結果です。共働きの増加やテレワークの普及で、「ブランド」より「便利」を重視する層が増えました。
2・下北沢との差が開いた
東急株式会社の東浦亮典氏は、以前から比較されてきた下北沢が再開発によって人の流入に成功した一方、自由が丘には大きな変化がなく、街の老朽化やブランドイメージの低下が目立つようになったと指摘しています。
参考:住みたい街ランキング上位「自由が丘」が”老人の街”に!?
3・街が高齢化している
一部メディアが「老人の街」と表現するように、駅近でも大きな再開発がありません。戦前から住む長期住民が多く、街全体が高齢化してきました。
再開発が進めば新しい世帯が入ってきます。ただ以前からの住民にとっては居心地が悪くなる。この綱引きが止まったまま年月が過ぎています。
なぜ地価は上がり続けるのか?
『住みたい街ランキング』では下がる一方で、なぜ地価は上昇を続けているのでしょうか?
一番の理由は「自由が丘ブランド」です。
「住みたい街」と「実際に物件を買う人」は必ずしも同じではありません。
- 住みたい街ランキング=ライフスタイル願望を反映
- 実際の購入者=資産価値・今後の価値
を見ています。
自由が丘は依然として、高所得層や富裕層からの需要は底堅い。そのブランドイメージは落ちていません。
また、自由が丘は街の規模が比較的小さく、新築マンションの供給が極めて限定的。住みたい人は多いが供給が少ない、そのため構造的に地価は上昇しやすくなっています。
これは田園調布や成城と同じく「タワマンが建てられない=供給制約」が地価を底堅くするパターンです。
田園調布の中古一戸建ての相場は1億3,700万円(2025年時点)。でもこの金額では3丁目の土地すら買えません。「田園調布がやばい...」「空き家が増えてゴーストタウン化している」という声が増えている中、一方では坪単価は[…]
「芸能人が多い高級住宅街と言えば田園調布や成城」——都内の高級住宅街を語るとき、この対比はよく使われます。では、なぜ成城には芸能人が多いのでしょうか?100年近くにわたって高級住宅街としての地位を保ち続けているのでしょうか?[…]
芸能人が自由が丘に住む理由
1・住民が芸能人に慣れている
長年芸能人が住んできた歴史により、街全体に「見かけても騒がない」文化が根付いています。警備ではなく住民の態度がプライバシーを守るのは、成城と同じ構造です。
2・渋谷まで10分・横浜まで20分
東急東横線で渋谷駅まで約10分、横浜駅まで約20分。テレビ局が集まる赤坂・六本木へのアクセスも確保できます。
3・緑が丘・奥沢という隠れ住宅街
自由が丘そのものはおしゃれな繁華街ですが、隣接する緑が丘や奥沢は閑静な低層住宅街。商業エリアと住宅エリアが明確に分かれているため、騒がしさを避けたい人は外側を選べます。
4・街の中で日常が完結する
スイーツ店、雑貨店、レストランが揃い、買い物も外食も街の中で終わります。多忙な人ほど、移動せずに何でも揃う環境が効いてきます。
自由が丘の坪単価は1,128万円【2026年】
自由が丘駅(じゆうがおかえき)の公示地価の平均は341万4000円/m2、坪単価では平均 1128万5950円/坪です。公示地価の前年からの変動率は+14.26%の上昇です。
参照:土地代データ-自由が丘
自由が丘全体の平均は1,128万円ですが、住宅地は545万円になります。
資産価値を見るなら、駅近の商業エリアと緑が丘・奥沢の住宅街では性格がまったく違います。同じ「自由が丘」でも、どちらを買うかで話が変わる。
✍ 査定の現場から見ると
自由が丘の相談で多いのが、駅前の相場で自宅を考えているケースです。
住所が自由が丘でも、商業エリアから離れれば評価の物差しが変わります。駅周辺と住宅地では坪単価が倍近く違う。
駅から何分かを先に確認してください。その一点で査定額が大きく動きます。
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🏡 同じ自由が丘でも査定額は倍近く割れます
駅前の商業エリアか、緑が丘・奥沢側の住宅街か。どちらの相場で見るかは不動産会社によって変わります。複数社を比べると、どこを評価しているかが見えてきます。売るかどうかは後で決めてかまいません。
「自由が丘の衰退」は半分本当で、半分は誤解でした。
住みたい街ランキングという人気投票では確かに順位を落としています。ただ実際にお金を払って住む街としての価値は、毎年上昇している地価が証明している。
落ちているのは話題性であって、資産価値ではありません。
街が高齢化し、再開発が止まり、若い世代の憧れが郊外へ移った。それでも土地の値段は上がり続けている。
自由が丘は今後どのように再開発されていくのでしょうか。
再開発は街を変える力を持つ。しかし、その舵取りを誤れば、積み重ねてきた個性は失われかねない。自由が丘はいま、”自由が丘らしさ”をどう定義し直すのかという難問に直面していると言えるだろう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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免責事項
本記事は公表データと報道にもとづく分析であり、特定の不動産の売買を推奨するものではありません。公示地価は毎年1月1日時点の標準地の評価で、個別物件の査定額とは一致しません。1,128万円は自由が丘駅周辺の用途を問わない平均、545万円は自由が丘(目黒区)の住宅地の数値で、集計範囲が異なります。変動率は各地点の変動率の平均であり、平均地価の変動率ではありません。住みたい街ランキングはSUUMOによる調査で、居住者に関する記述は報道やSNSの情報によるものです。







